「噂に聞こえた凄い奴」ならぬ、「噂に聞こえた凄い映画」を見ました。長らくほったらかしのブログに思わずコメントです。
『
CASSHERN』(監督 紀里谷和明 2004年 松竹)
ピニョン氏は、竜の子プロのアニメ作品を再放送で見ていた世代ですので、多少なりとも期待はしていたのですよ。陰のあるヒーローが好きですし。しかし、これはキャシャーンという名前の全く別物でした。
反戦映画を撮りたかったのでしょうか。それとも、キリヤ版『伝説巨人イデオン』をやりたかったのでしょうか。
この監督さんの初監督作品だとか。よく分からんカットが山ほどある反面、どこかで見たようなカットも山ほどありました。好きな絵をつぎはぎしているだけの印象です。台詞もまどろっこしくていけません。2時間20分程度あるようですが、3時間以上見ていた気になりました。
CGを多用していますが、『イノセンス』を見ているので、猥雑な感じがするだけです。かなりお金と時間は掛けているように見えます。しかし、それがあまり役に立っているように思えないのは、もったいないですね。
一応、ヒーロー物をやろうとしている様で、アクション・シーンもあります。何故そこでアクション・シーンが必要なのか良く分からない場所で始まります。この映画で記憶に残っているのは、そこだけです。アクション・シーンのコンテは樋口真嗣氏が切っているので、アニメ的な見せ方でしたが、そこだけがキャシャーンでした。、むしろ、あえてアニメ的にしているのかもしれませんね。そうそう、新造人間との一騎打ちで刀はどうかと思います。キャシャーンですから、「叩いて砕く」じゃないと感じ出ません。
ピニョン氏から見た、最大の問題は、
面白くないこと。これは痛かったです。
結論としては、キャシャーンでやらなければよかったんですよ。素直に反戦と人間愛のドラマにすればよかったんです。苦悩するヒーローを据えて、戦争の悲惨さと虚しさを代表させたかったのかもしれませんが、このヒーローが活躍しないです。何もしてませんよ、彼。むしろ、戦争を拡大させる原因の一つとなり、最後には、すべてを放棄します。
敵の新造人間を倒したじゃないかと言われるかもしれませんが、女と男の新造人間を倒すことで、何らかのダメージを敵に与えている様子が全く無いです。これでは、キャシャーンのしていることに意味がありません。ブライキング・ボス(劇中で名乗らないのですが、多分そうだと思います)はロボットとを指揮していますが、ブライキング・ボスを倒したのは、キャシャーンではありません。上条中佐です。それに、最後に敵の最終?ロボットが爆発しますが、キャシャーンはそれをとめることも出来ませんでした。ロボットと人間の戦闘を止めてもいません。一見すると戦争は終わっているように見えますが、一時的に戦闘が収まっているだけで、戦争は終わってないのです。
キャシャーン及び鉄也が、この映画の中でしていたことは、人を殺し、ロボットを壊しただけ。そのくせ、戦争はよくない、人殺しはよくない、復讐は憎しみしか生まない、と言います。さらに言えば、誰かを救ったわけでもありません。みんな死にますから。
驚くことに、ラストで、キャシャーンとルナが光になって、どこぞに飛んでいきます。自分たちの希望を生み出すために、他所に行き、戦争にあえいでいる人々はほったらかし。おいおい、それは無いよ。
どうせやるなら、人殺しと復讐しかせず、自分の利益しか追求しない人間存在に絶望したキャシャーンが、上条将軍のところに乗り込んで、大爆発。地球上の文明を根底から破壊する。生き残ったわずかな人類が、この災厄を乗り越えるため一致団結して一からやり直す、というなら、まだ格好が付く様に思います。後始末はちゃんとしましょう。
この映画の監督、ただ単に、富野由悠季監督の『イデオン』をキャシャーンでやろうとして、やりきれなかったのねというのが、感想です。すべてが中途半端でした。
最後に一言。フレンダー、ただの犬なのね・・・。